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ジブリの教科書10 もののけ姫  ―――― 自然に対して人間は何を為したのか

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ジブリの教科書10 もののけ姫(文春ジブリ文庫)
編集:スタジオジブリ、文春文庫
発売元:文藝春秋
発売日:2015/7/10











【レビュー】





  「現代に生きる、
  私たち日本人の文化的・歴史的な基盤はどこにあるのか。

  私たちは、どういうものを壊して、何を築いてきたのか。

  そういうことを考えさせられる映画です。」



                              ―――― 生物学者 福岡 伸一







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宮崎駿監督が構想16年、制作に3年をかけた超大作『もののけ姫』。

1997年に公開されると日本映画の興行記録を塗り替え、「ジブリ映画を観に行く」という行為が娯楽として市民権を得る記念碑的な作品となった。生物学者の福岡伸一を筆頭に、中世日本の歴史に深い関心を抱いてきた宮崎監督ならではの重厚な世界観を読み解く。
(作品紹介より)

















2013年4月から【ジブリの教科書】シリーズの刊行が始まり、早2年という時間が経過しました。


巻数も大台である10巻目に到達し、その記念すべき巻が日本のアニメ界を変革したという
『もののけ姫』がテーマというのが、また意味深いものがあります。










私の思い出を語らせていただければ、もののけ姫が公開された1997年の夏、当時、小学生だった私は家族で仙台の映画館に本作を見に行きました。


シネコンなんてものはなく、1つのスクリーンしかない映画館で立ち見席。


歴史の知識もアニメーションの知識も乏しい当時の私には、ストーリーや設定について詳しいことは何ひとつ理解することができませんでした。


しかし、何かもの凄い”衝撃”を受けたことだけは、幼心にも感じることができました。


ビデオが発売されてからは、親にねだって買ってきてもらい、本当にテープがすり切れるまで何十回と見続けるほど熱中しました。


私にとっては、【ジブリ】という存在を初めて意識し、ひいてはジャパニメーションの魅力に気づき、また、日本独特の歴史や宗教観に興味を持ったという、まさに”知恵の扉”とも言える作品となったのです。










冒頭に「日本のアニメ界を変革した」という文言を用いましたが、同時代に登場した
『新世紀エヴァンゲリオン』というこれまた歴史的名作と比較すると大変興味深い事実に気づかされます。


エヴァは、バブル崩壊や阪神大震災、地下鉄サリン事件など世の中が閉塞感に満ちていた時代の10代の少年少女たちに熱狂的な支持を受けました。


彼らはエヴァを自分達の生きる指針とし、その人生に多大なる影響を及ぼしました。


ブームは、よりコアにマニアックに掘り下げられ、日本国内の内側に入り込むようにブームが成長。


遂には社会現象にまで至りました。


つまり、”内輪話”の究極体です。


一方、もののけ姫は、日本国内で大ヒットしたことは当然として、その後ディズニーが配給したことで世界中でも公開されます。


ジャパニメーションのグローバル化がここから本格化するのです。


これが基盤となり、宮崎監督の次作『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞受賞という快挙につながります。


同じ時代に登場したこの2作品は、内と外という広がり方に差があっても、今でも語り継がれている世紀の名作であることは自明の事実です。


ここに何か日本人の許容性の広さであったり、多様性をみることができ、日本でアニメ文化が育ってきた要因があるように思います。










前置きが長くなりましたが、このように偉大な作品を公開から20年近く経った今、もう一度振り返って総括し直してみようという本書の試みは、大変意義があるものです。


また、鈴木プロデューサーが、当時ジブリの経営母体である徳間書店を多額の赤字から救うためにもののけ姫を作ったという、今だから語れる裏話も豊富に盛り込まれています。


宮崎駿のアニメーター人生においての”到達点”であり、また新たな”出発点”になったもののけ姫という作品を味わう尽くすため、本書は必須資料であり、後生まで残すべき
”人類の遺産”なのだと思います。


































【関連記事】

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[ 2015/07/31 22:15 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)
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