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約束の国 1   “共産主義英雄譚”開幕──。

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約束の国 1(星海社FICTIONS)
著者:カルロ・ゼン
イラスト:巌本 英利
販売元:講談社
発売日:2014/9/12











【注目キャラクター】



「家族に関する限り、我々は妥協すべきだ!

 そうでなければ、
 連邦という体制が信を問われかねない!」



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ダーヴィド・エルンネスト
主人公。通称「ダード」。タルヴォイ族出身のヒルトリア連邦軍士官候補生。
未来から時間を遡って崩壊する前のヒルトリアに還った彼は、追い求めた理想が正しかったのか苦悩する。












【レビュー】





      「――――”約束の国<ヒストリア>”よ

     お前は永遠だ。 永遠にして見せる。」

   




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ヒルトリア社会主義連邦共和国──党と国家機構が融合し、“兄弟愛と統一”のスローガンの下、五民族・五共和国が薄氷の上に共存共栄する共産主義国家に時を越えて舞い戻ったダーヴィド・エルンネスト。

過去か未来か、“共産主義”か“民族自決”かの二者択一の正解を求め、ダーヴィドは仲間と共に、ヒルトリア連邦人民軍で栄達を重ねていく……。

『幼女戦記』のカルロ・ゼンが贈る“共産主義英雄譚”開幕──。
(作品紹介より)












■人生やり直し×共産主義





以前このブログでも紹介した『幼女戦記』の著者カルロ・ゼンが放つ、共産主義英雄譚。


この民主主義全盛の時代にあって、なんと世界に対して反逆的であることか!


だが、そこが小気味よく、面白い。


まったくもって、そそられるテーマです。










冒頭、一人の壮年の男が自殺するところから物語は始まります。


彼はある共和国の大統領。


元々の祖国である【ヒストリア社会主義連邦共和国】という他民族国家連合が崩壊した後、彼は仲間達と新しい国を作り上げた。


しかし、望んだ明るい未来は来ることはなかった。


最終的に彼の作り上げた国は、経済が回らず、国民は困窮し、次の冬も満足に越えられない始末。


現状に絶望し、自らの口の中へ銃口を突っ込んだ。


それが【クアーナン共和国】大統領ダーヴィド・エルンネストの人生の終わりであった。











・・・・・・はずだった。


次に目覚めたとき、ダーヴィドは崩壊したはずの祖国ヒストリアで軍の士官候補生として仲間達に囲まれていた。


そう、”かつて死んだ”仲間達にだ。


彼は過去に帰ってきたのだ。


戸惑いつつも人生をやり直す日々を始めたダーヴィドは、忌み嫌っていたかつての祖国が不安定な情勢の中でも、人々が平和に暮らしていたことを知る。


そして、自身の行動の変化によって未来を変えられることに気づく。


ダーヴィドは決心する。


自分がヒストリアの崩壊を防ぐことを。


一度絶望の淵に立たされた男は、二度目の人生で仲間達を、そしてかつての祖国を守るために行動を開始する――――。











作中に出てくる 【共産主義用語】 は、新鮮で独特の言い回しは、なかなか味わい深いものがあります。


【同志】 【民族主義者】 【自主管理】・・・・・etc.


共産主義という閉鎖的・滞留的な社会で、主人公がいかに力を付け活躍していくのか、楽しみです。















■【民主主義】の没落、【共産主義】の復興





現実の歴史的見るとに、【民主主義】と【共産主義】の対立である 【冷戦】 がソ連崩壊と共に終結し、早20年が経過しました。


その後、長らく世界の趨勢は【民主主義】が席巻してきたわけですが、近年その勢いに陰りが見え始めています。


世界のGDP規模で2位に位置していた日本は、長期間の不況により経済・国力が低迷し続けています。


1位のアメリカにしても、泥沼化する国外の紛争介入やリーマンショックなどの影響により、政治的にも経済的にも【唯一の超大国】と言われていた頃の力は既に失われています。










代わりに対等してきたのが、共産主義国家であるロシア、中国です。


【共産主義】を政治の主軸にしながらも、経済の面では市場経済の要素も取り入れ、近年の発展は目を見張るものがあります。


私達の世界は今後、統一の主義によってまとめられていくのか、または、それぞれ各々の主義に基づく【独自主義的国】が乱立して分裂していくのか。


本作が語る 『共産主義万歳』 というメッセージは、今まで【民主主義】を盲目的に信じていた私達に冷水を浴びせる行為に他なりません。


それは、「私達はもう一度【イデオロギー】について、再考しなければならない時期に来ている」、とも解釈することもできる、未来への布石を本作が打っているように思えるのです。































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昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

このブログでは、私が出会った2次元作品についてのひとり語りをココ、”秘密基地<セーフハウス>”からこっそり更新しています。

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