とあるオタクの秘密基地<セーフハウス> TOP  >  ライトノベル >  幼女戦記 3 The Finest Hour 戦場の霧を見通すのは、幼女【バケモノ】ただ一人。

幼女戦記 3 The Finest Hour 戦場の霧を見通すのは、幼女【バケモノ】ただ一人。

index_201412140205538d3.jpg
幼女戦記 3 The Finest Hour
著者: カルロ・ゼン
イラスト: 篠月 しのぶ
発売元:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014/11/29











【注目キャラクター】



「我々が一人でもいる限り、共和国は戦い抜く。

 そして、平凡ながら最後には我々が立っていればよい。

 ――――戦争とはそういうものだ。」

  

ド・ルーゴ
【共和国】陸軍少将。国防次官補兼陸軍次官。
帝国に共和国首都が攻略された後、残存艦隊と共に南方大陸に脱出。
植民地に逃れ、帝国への反抗作戦の指揮を執る。












【レビュー】





 「今は、ただ、願うばかりです。


 今日より一千年後の連合王国で、私達の子供達の子孫らが、

 『今、この瞬間こそが、帝国にとっての最良の時代であった』

 と私達の誰かによって書かれた歴史書を読み返すことを。


 今は、まさしく我々にとって灰色とでも呼ぶべき最悪の時代であり、
 同時に帝国にとっての最良の時代であります。


 さて、紳士淑女の皆様、
 それでは我々の最悪の時代に乾杯しましょう。


 そして、願わくば我らが子孫に言わせたいものでありませんか。


 『あの時代こそが、帝国にとって最良の時代だった』と。


 ――――そして今、永久の祖国が味わう最悪の時代に乾杯!」

   




img602.jpg









                  


戦場の霧を見通すは、幼女(バケモノ)ただ一人。

金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、『死神』『悪魔』と忌避される、帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。

戦場の霧が漂い、摩擦に悩まされる帝国軍にあって自己保身の意思とは裏腹に陸、海、空でターニャの部隊は快進撃を続ける。

時を同じくして帝国軍は諸列強の手を跳ね除け、ついに望んだ勝利の栄冠を戴く。

勝利の美酒で栄光と誉れに酔いしれる帝国軍将兵らの中にあって、ターニャだけはしかし、恐怖に立ち止まる。

これは決定的勝利か、はたまたピュロスの勝利か。

帝国は本当に全てを掴んだのか?と。
(作品紹介より)












■【ライン戦役】終結





rengou_201412141122150bd.jpg




【帝国】は周辺国との戦争の内、北方の【協商連合】、南東の【ダキア大公国】を降伏に追い込むことに成功。


目下、残った“敵国”は、西方の 【共和国】 のみとなりました。


そして、両国の領土線にしてその一番の激戦地であり、”地獄”とも称される
【ライン戦線】


そこには、ターニャ率いる【第二〇三航空魔導大隊】の姿がありました。










現状を打破するため参謀本部から大隊へ下った一つの命令。




「前線を突っ切り、後方の敵司令部を強襲せよ」




常軌を逸したこの作戦を、ライン戦線で豊富な実戦経験を積み、他を逸脱する最新鋭装備を揃えた大隊は、見事やり遂げます。




「祖国に神の御加護があらんことを。

 されど、我ら将兵があるうちは
   神の仕事を肩代わりして御覧に入れましょう。」





帝国軍は司令部を破った勢いそのままに【共和国】の首都パリに進軍。


これを瞬く間に陥落させます。


【ライン戦役】と呼ばれた一連の戦闘及び、【共和国】との戦争自体がこれで終わるかにみえました。















■”ピュロスの勝利”





パリが陥落したときを同じくして、共和国軍の残存戦力が【ブレスト軍港】に終結しつつありました。


指揮を執るのは国防次官補ド・ルーゴ少将。


作戦名は 『大陸撤退プラン』


【共和国】は世界各地に広大な植民地を持ち、そこから産出される天然資源により、豊富な資金の確保が可能でした。


例え本国が落とされたとしても、十分な戦力が脱出できれば、戦争を継続できるのです。


裏を返せば、『大陸撤退プラン』が失敗すると、【共和国】が降伏せざるを得ない。


つまり、”チェック・メイト”ともなりかねない危険な賭でした。










その共和国軍の狙いにいち早く気づいたターニャ。


身近らの大隊を率いてこれを撃破するため出撃しようとしたそのとき、参謀本部から【停戦命令】が出されます。


これにより共和国軍残存艦隊は本国を脱出、【帝国】は戦争を終わらせる機会を逸してしまうのです。


参謀本部を初めほぼ全ての帝国軍は、勝利の愉悦に酔い、この動きを完全に見過ごす大失態をおこします。










このときのターニャの狼狽ぶりは未だかつてなく、それほどの【ターニング・ポイント】だったということを如実に表しています。




img603.jpg


 「糞っ!

 何が勝利の、美酒だっ!

 我々は、戦争を終わらせる機会を、逃したんだぞ!

 勝利の使い方を知らないのか!」





【ライン戦役】の勝利は、【帝国】にとってまさに ”ピュロスの勝利” となりました。





【ピュロスの勝利】

「損害が大きく、得るものが少ない勝利」、つまり「割に合わない」という意味の慣用句である。

古代ギリシアのエペイロス王で、戦術の天才と謳われたピュロスの故事に由来する。

まだ新興都市国家だったローマがイタリア半島南部の都市国家タレントゥムと戦うことになったとき、常備戦力をほとんど持たない経済都市タレントゥムは、当時既に武将として盛名をあげていたピュロスに莫大な報酬を約束して傭兵として雇い入れた。

ピュロスはローマ軍と戦いこれを撃破したが(ヘラクレアの戦い(紀元前280年)、アスクルムの戦い(紀元前279年))、ギリシアから遠征してきたピュロスの軍勢は戦うごとに数を減らし、またローマが講和に応じないため、戦勝の慶びを述べた部下に対して、「もう一度ローマ軍に勝利したら、我々は壊滅するだろう」と言ったという。このことから、払った犠牲と勝利して得たものが釣り合わないこと、割りに合わない勝利のことをピュロスの勝利と呼ぶようになった。


















■【南方戦役】開戦





img605.jpg




ここから戦場の主軸は【共和国】植民地である 【南方大陸】 へと以降していきます。


【帝国】にとって、国外への派兵は完全に想定外であり、大部隊を送り込むことができません。


捻り出した二個師団(一個軍団)の戦力を投入します。


当然そこに第二〇三航空魔導大隊も含まれています。


砂にまみれ、物資の支給も難しい帝国軍にとって分の悪い場所で、どのような戦略をとっていくのか。


本作の【軍略モノ】としての魅力が更に発揮される、胸アツな展開です!
















■戦争の”落とし所”とは





【南方大陸】の戦闘でも帝国軍は共和国軍に対して、機動性を高めた戦術により、勝利を収めていきます。


しかし、ターニャは立ち止まり、ふと考えるのです。




img604.jpg


 「どうやって、
 本国の政治家達はこの戦争を終わらせるというのか?」





目先の戦闘に勝っていたとしても、他の周辺国の参戦(連合王国、合衆国)により戦争は明らかに泥沼化しつつあります。


【帝国】にとって今が最良の時代であり、それがいつしか過去になってしまうのではないか。


その危惧を覚えてしまったのです。


そしてその危惧は、恐らく正しいことです。










本作の要所々々に本編の未来から見た描写が挿入されています。


その文章の端々から、明らかに【帝国】が ”過去の遺物” として語られているのが分かります。


【帝国】が世界大戦に敗戦することは、まず間違いないでしょう。


負ける戦争の中で、ターニャを初めとする帝国軍人達がどのような生き様を見せていくのか、それが、本作で作者が最も書きたかったことなのです。


報われぬ戦士達がそれでも祖国のために戦い続ける。


または、戦争の熱に当てられ、狂いながら死んでいくのか。


【戦場】という舞台は、様々な要素が入り交じった “カオス” を描くのに最適な装置なのです。










      「我らがライヒに、誉れあれ!」

                         ――――無名帝国兵士



















































【関連記事】

幼女戦記 2 Plus Ultra  ――最前線にて幼女<バケモノ>は嗤う。 [2014/06/03]
幼女戦記 1 Deus lo vult ――戦争の最前線にいるのは幼い少女。 [2013/11/28]















よろしければ、
1日1クリックお願いします。
↓↓↓
スポンサーサイト
[ 2014/12/15 00:00 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

F

Author:F
昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

このブログでは、私が出会った2次元作品についてのひとり語りをココ、”秘密基地<セーフハウス>”からこっそり更新しています。

リンク・相互リンクについて


よろしければ、
1日1クリックお願いします。
↓↓↓

FC2カウンター
ブロとも申請フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
サブカル
147位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
39位
アクセスランキングを見る>>
QRコード
QRコード