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紅殻町博物誌  ――地図に無い町と、図鑑に載らない風物の、物語。

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紅殻町博物誌
ブランド:raiL-soft
ジャンル:ヴィジュアルノベル
原画:天原埜乃
シナリオ:希(まれに)
音楽:マッツミュージックスタジオ
発売日:2009/07/24
公式サイト:http://www.liar.co.jp/raiL/bengara_top.html








【注目キャラクター】


「お電話ですとね、貴方のお顔が見れませんから」


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朱籐 松実
30代半ば。主人公と縁続きらしい年増の美女。
今では数少なくなった、紅殻町の宿を営んでおり、主人公は紅殻町にいる間、彼女の宿に居候させてもらうことになる。
性格は穏当で穏やかだが、男をどこか不穏な気持ちにさせる色気をそこはかと漂わせる。
要は孤閨をかこつ熟れた未亡人。









【レビュー】





「赤褐色の密度が増していく。

 この色は、紅殻を塗った色。

 あの町の名の、色。


 まるで―――道を辿る事が、時間を遡る事のようだ。

 還っていく―――赤褐色の、紅殻の家並みの中に。

 戻っていく―――陽炎揺らめく、あの紅殻の町並みの通りに。」
              
  



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世の中には、いわゆるインチキ商品というのがある。たいそうな性能、効能を謳っておきながら、中味は全く実を伴わない、いわば詐欺まがいの品々だ。

そういった怪しげで胡散くさい品々ばかりが当たり前のように出回っている町が、この日本の片隅に存在していたとしたなら?
そしてその町では、それらの品々が本当に謳い文句の通りの力を発揮しているとしたなら?

どうしてその町に限ってそんなことが起こりうるのか―――
それは、その町には、けして世間の表には出てこない、とある秘密が隠されていたから―――

これは、地図に無い町の、図鑑に載らない風物と、記録に残っていない事件の、物語。
その町の秘密を巡って交差する、想いと企みの物語。
(作品紹介より)












■『raiL soft』発売の第2弾【ヴィジュアルノベル】



本作は独特な世界観で人気があるPCゲームブランド 『Liar soft』 の姉妹ブランドである
『raiL soft』 から2009年に発売されました。





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発売当初に少しプレイしたことがあるのですが、1回きりでそれ以降すっかり忘れていました。


ここ最近、あんまりワクワクするようなPCゲームがないなぁという不満が溜まり。


そんなとき、ふと本作を思い出し、時間もそれなりにあったのでモソモソやってみると。


これは面白い!


ブログにも記事かいてみたいなぁ、と思ったわけです。










■【和風】を前面に出した魅力



相対的に見ると全面的に 【和風】 を打ち出している作品って以外と少ないと思いませんか?


ゲーム以外、マンガ・アニメなんかでも。


まず、本作のここまで【和風】に重きを置いているということに好感が持てます。


それは、以下の3つの具体的な点から特に感じることができます。








①山形県の片田舎『紅殻町』という舞台設定



『紅殻町』 は、明治~昭和初期にかけての面影が残るノスタルジー溢れる町です。


いわゆる ”古き良き時代” というやつです。





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いくつかの地区に別れ、【本町】 と呼ばれる地区は、格子窓の住居が並び、京都の町屋っぽい面影があります。


【新町】 と呼ばれる地区には、駄菓子屋や物品館など温泉街の風情があります。


いずれも現代からは失われつつあるものであり、一抹の寂しさとだからこそ感じる愛おしさを画面を通して伝わってきます。








②【縦書き】の文章



基本的にPCゲームの画面文章は、【横書き】 が当たり前になっています。


しかし、本作は初期設定において文字方向が 【縦書き】 です。





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【縦書き】にすることで、より日本的な印象を受けることができ、
「小説を読んでる感」 もばりばり出てきます。


日本語の文章は【縦書き】のほうがより美しい!







③文学的な文章表現


決めつけは、その難解で長文だがクセになってしまう文体、に魅力を感じざる負えません。






「―――もっとも、国定の教科書に

 例文としてあげられるようなスタンダードな文章でなく、

 いわゆる好事家の活字好きによって、

 珍酒を味わうような愛顧のされ方ではあったが。―――」



(本編より抜粋)







まるで 芥川竜之介 とか、あの辺りの小説家を彷彿とさせる文章が随所に散りばめられています。


調べてみると、シナリオは 希(まれに) というライターらしいです。





元遊演体、現在はLiar-softの姉妹ブランド、raiL-softに所属しているシナリオライターである。

夜行巡査や高野聖、外科室などで有名な、日本における浪漫主義文学の先駆けと言える作家の泉鏡花を彷彿とさせる雅文体を始めとした、昨今のエロゲライターとは一線を画す作風が特徴。

「Fateは文学」とはν速発祥の有名なネットスラングであるが、エロゲ業界で大真面目に文学を目指していると言えなくもないのであるから成る程一線を画している。

作中には一般に文豪と評されるような作家の手がけた小説、映画からの引用が数多く存在し、それらの作品のファンにとってはたまらない作品といえるだろう。
(『ニコニコ大百科(仮)』より)







このような才能ある人材がエロゲー業界にいるなんて、日本もまだ捨てたもんじゃないですね。


それともエロゲーの文化的な成熟の現れと受け取るべきか…。










■【珍奇物品】という”マジック・アイテム”



物語の中心であり、主人公が紅殻町を訪れるきっかけになるのが、紅殻町のみに存在する
【珍奇物品】 と言われる数々の品物です。


一見、明治時代以降日本に入ってきた【舶来品】とか【ハイカラ】とか呼ばれる物に酷似しています。


しかし、使うことによって現代科学をもってしても解明できないような、摩訶不思議な現象を引き起こす曰くありげなアイテムです。





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紅殻町事態が現代から見ると浮世離れしている ”隔絶した空間” のイメージなので、このような ”マジック・アイテム” が登場しても違和感まったくなかったです。


それどころか、【舞台】と【アイテム】の2つの要素がお互いに相乗効果になり、完成度の高い【世界観】の構築に成功しています。










■他の作品とは一線を画したオンリーワン



上記のようなかなり得意な作品だということがお分かりいただいたと思います。


万人にはウケないけれど、必ず需要はある。


”ニッチ”を狙っていけ!


これからの時代は、大ヒットを狙わず、熱烈な固定ファンを増やしていくことが大事です。


それがコミュニティを作り、更なる結束と愛着が生まれ、息の長いコンテンツとして歴史を作ることができる。


そんな戦略を取っていくことが ”今” 段階の正解のような、気がしています。





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[ 2014/03/20 01:33 ] ゲーム | TB(0) | CM(0)
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昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

このブログでは、私が出会った2次元作品についてのひとり語りをココ、”秘密基地<セーフハウス>”からこっそり更新しています。

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