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マルドゥック・スクランブル 【圧縮】 【燃焼】 【排気】  それは、彼女の選択───

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マルドゥック・スクランブル 【圧縮】 【燃焼】 【排気】
原作・脚本 - 冲方丁(早川書房 ハヤカワ文庫JA)
監督 - 工藤進
画コンテ - 工藤進・鈴木信吾
コンセプトデザイン - 菊田幸一
キャラクターデザイン・アニメーションディレクター - 鈴木信吾、中井準
メカ・銃器デザイン - 大久保宏
音楽 - Conisch(コーニッシュ)
音楽制作 - スターチャイルドレコード
アニメーション制作 - GoHands
配給 - アニプレックス
製作 - マルドゥック・スクランブル製作委員会(キングレコード、アニプレックス、ブロスタTV)
公式サイト:http://m-scramble.jp/










【注目キャラクター】


「彼女に生存放棄をさせないことが

 今の俺の”有用性”だ。」



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ウフコック・ペンティーノ
委任事件担当捜査官。人語を解する金色のネズミ型万能兵器。体を複数の次元に分割しており、また亜空間に貯蔵してある物質を使って様々な兵器や道具に変化(ターン)することができる。イースター、フェイスマン等が在籍した宇宙戦略研究所で開発され、匂いを元に人間の感情を読み取る能力を持っており、研究所では「金の卵」と呼ばれた。












【レビュー】





   「私を愛して…… ウフコック。

   私に言い訳を与えて。 貴方の為にしたいの。

   裁判をやれと言われたら何でもする。

   ……だから、愛して。」
               
  



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少女娼婦バロットはショーギャンブラーにしてオクトーバー社の汚れ仕事を引き受けるシェルの計画により命を落としかけるが、シェルの犯罪を捜査する委任事件担当捜査官のイースターとウフコックに救出され、マルドゥック・スクランブル09法に基づく禁じられた科学技術の特別使用によって一命を取り留めた。そしてバロットはスクランブル09により高度な電子干渉(スナーク)能力を手に入れ、イースター、ウフコックと共にシェルの犯罪を追う。だがシェルも委任事件担当捜査官ボイルドを雇いバロットを追い詰めようとしていた……。 (作品紹介より)












■”万作の天才”冲方丁原作の00年代を代表するSF作品



本作は、2003年に発表された 冲方 丁先生 の同名小説の劇場版アニメ作品です。





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冲方先生 と言えば、私がその名前を初めて意識したのは 『蒼穹のファフナー』 の脚本担当としてクレジットされたことだと記憶しています。





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ここ最近の活躍は目覚しく、本業の小説家としては、映画化もされた 『天地明察』 (2009年)、水戸光圀 を題材とした 『光圀伝』 (2012年)を発表。





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最新作としては、清少納言 を題材とした 『はなとゆめ』 が発売中です。(ステマじゃないよ!)











アニメ業界においても現在シリーズが制作されている劇場版アニメ 『攻殻機動隊ARISE』 のシリーズ構成、脚本を担当されています。










専属のSF作家というわけではないのですが、 久しぶりにがっつりSF観たな~ と思えた作品でした。


例えば人に 「SFって何?」 って聞かれたとしたら、 「【サイエンス・フィクション】の略でね―――」 と説明するのではなく、「マルドゥック・スクランブルを観ろ!!」 と自信を持ってオススメできる名作です。















■一度”死んだ”作品



原作小説のアニメ化企画はこれが最初ではなく、2005年12月にゴンゾ製作でアニメ化されることが企画されましたが、2006年12月21日に製作中止が発表されました。


そのときも主人公 ルーン=バロット の声優は 林原 めぐみさん にオファーされていました。





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林原さん は当時出産されたばかりで、育児に専念するため断るつもりでした。


ところが勝手に原作本が送られてきてしまい、読んだらドハマリして、自分の中に ”バロット像” が出来てしまったそうです。


でも仕事は当初通り断るつもりでしたが、あちらから一方的に製作中止の連絡。


自分の中のモヤモヤが消えず、その気持ちを手紙にしたためて、冲方先生 に送ったそうです。


担当出版社宛に(笑)。


なので、その手紙は他のファンレターと一緒に本人に届いたとか。


それを聞いた 冲方先生 とプロデューサーは、 「これはイケる!」 と思い、次のアニメ化の機会を待っていたとのこと。










なので、 林原さん にとってもこの作品はとても印象深い作品のようです。


先日もwowowで放送された 『冲方サミット』 でゲスト出演された祭、 バロット への気持ちを聞かれ、涙を流されていました。


林原さん にとっても、00年代の代表作と言える作品になってのではないでしょうか。















■少女の【絶望】と【再生】の物語



主人公 ルーン=バロット は、15歳の娼婦として生きていました。


それは12歳のときに父親から性的暴行を受け、それを発見した兄が父親を殺害、彼女には体を売る以外の生きた方がなかったからです。


そんな中、 バロット は娯楽産業を総轄する大企業オクトーバー社の下で複数のカジノを取り仕切る男・ シェル に買われ、ある陰謀のために利用するために殺されかけ、生死の境を彷徨う重症を負ってしまいます。


なんとか一命は取り留めましたが、全身に金属繊維による人工皮膚を移植され、発声の機能を失ってしまいます。





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彼女を救ったのは、オクトーバー社の企みと敵対する事件担当捜査官である ウフコックイースター





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ウフコック は生体兵器として開発されたネズミ、イースターバロット を救った技術の研究者でした。


2人の協力を得て、全てを奪われた バロット はもう一度生きる意思と資格を得ることができるのか、それが本作のテーマです。










私が思う本作の見所は、 バロットウフコック が真のパートナーになるための過程です。


これまで体の関係がなければ愛情を感じることができなかった バロット が、ネズミである ウフコック”心の結びつき” によって 「愛する・愛される」 とはどういうことなのかを理解していきます。


お互いに悲しい過去を持つ2人が助け合い、絆を深めていく描写は心が温かくなり、いつまでも観ていたくなります。















■最大の見せ場”カジノ”



シェル を追い詰めるため、 バロット 達は バロット が殺されかけた事件の証拠が彼の経営するカジノの100万ドルチップの中の情報に隠されていることを突き止めます。


その100万ドルチップを手に入れるため、 バロット はカジノに乗り込みギャンブルに勝つという正攻法で攻めていきます。



「SFなのにカジノ!?」 と思いますが、ここが一番面白い。


手袋に変化した ウフコック の助けを得て、”運”という不確かなものに頼るのではなく、確率とカードの把握、そして バロット の生の体感覚を併せ、その必勝法をリアルタイムで構築していきます。





カジノ1





かじの2





かじの3





”SF要素のあるカジノ” 描写というのは衝撃的なほど新鮮で、まったく新しいジャンルを開拓したのではないかという感動を覚えました。










最後に最強のディーラーとして登場する アシュレイ・ハーヴェスト というキャラがいるのですが、彼がまたいぶし銀のシブいおっさんでいい味出してます。


そこから発せられるセリフも叙情的で、視聴者を一段深く物語の世界に誘う強力なファクターとなっています。





かじの5


   「俺は今、”勇気”を見た、”謙虚”を見た。

    目の前で誰かが完全に勝つのを初めて見た。」


   「まるで”人魚”だ。

    声と引き換えに
      地上を歩く魔法を足を得た人魚の話を思い出した。

    きっと彼女も”勇気の人”だったんだろう…。」
















■SFの未来



本作を観て、これからのSFについて思いを馳せてみました。


SFとは 「未来を思う力」 だと思います。


科学が発達し、将来こんなことができるようになる、こんなに素晴らしい世界がやってくる。


そんな期待がSFの数々の名作を生み出す原動力となってきました。







しかし現代はそんなSFが衰退し、代わりにファンタジーが全盛となっています。


それは人々が現実の未来に希望を見出すことができず、空想へ逃げ込んでいるという見方ができると思います。


紛れもなく私もその一人です。







もしまたSFが盛り上がることがあるのなら、それは皆が未来に対して夢を見ることができる時代が再び来たということなのかもしれません。


そんな時代が来ることを切に願っております!!































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[ 2013/12/25 00:06 ] アニメ | TB(0) | CM(2)
お邪魔します
ちょっとした流れから、お邪魔しましたがいやはや何とも私好みのブログだなぁ、と驚いております。

各作品の「言葉」を大変に大切にしており、その作品の魅力を「台詞」から紹介して下さる。
素晴らしい手腕だと思いました。
長らくSFには触れておりませんでした。
戦闘妖精を読んだのが数ヶ月前、という為体でアニメも勿論嫌いではありませんが(年の割に大好きですね)、これも時間が取れずに離れるばかり、こちらで上質の作品を御指南頂いて貰えればいいなと、思っています。
なお、偶然ですが冲方丁氏の「マルドゥック・ヴェロシティ」は名作と訊いておりましたので、伊藤計劃氏の「虐殺器官」と共に購入しました。
現在、虐殺器官を読んでおりますが、このレビューにて、出来るだけ早く読みたくなりました。
ありがとうございました。
[ 2013/12/25 18:45 ] [ 編集 ]
Re: お邪魔します
> 矢口様

大変染み入るお言葉ありがとうございます!

私も原作を読んでみたいと思っていますが、正直小説をじっくり読める時間が取れません。
アニメにしてしまうと、尺の関係上どうしても原作からカットされている部分もあるかと思います。
そこを知ることができないということは大変悔しい思いがします。

世の中にはこんなにも面白い作品がたくさんあるのに、もっと1つ1つの作品を大事にできればと思う今日この頃です。
[ 2013/12/25 23:45 ] [ 編集 ]
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昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

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