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日御子  ―――まったく新しい手法で書かれた二十一世紀の『古事記』

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日御子
著者:帚木 蓬生
出版社:講談社
発売日:2012/5/30







【レビュー】





「【人を裏切らない。】


 【人を恨まず戦いを挑まない。】


 【良い習慣が才能を超える。】


 【人に骨休めはいらない。
  骨休めは、仕事の転換のその瞬間にある。】」
               
  



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代々、使譯(通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。それは、「倭」の国が歴史に初めてその名を刻んだ出来事。祖父が聞かせてくれる物語に、針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。それから十数年が経ち、再び漢へ遣いを出すことになった。こんどは針の番だった。伊都国の使譯として正式に任命されたのだ。5隻の船にたくさんの生口(奴隷)を乗せ、漢の都・洛陽へ。──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通じて語り伝えられていく日本の歴史。眼前に広がる古代歴史ロマンが、日本人の心を捉えて放さない。 (作品紹介より)









■【神話】と【史実】を繋ぐ二十一世紀発の『歴史書』




舞台は2~3世紀、【日本】という国の黎明期にあった九州地方です。



作者の方は邪馬台国の『九州説』を採用して、この物語が書かれています。



私がこの作品を読んで、最も感銘を受けたのが、作者の綿密な取材と説得力のある歴史解釈により、【神話】と【史実】の溝を埋めていったという点です。







ご存知の通り、古代日本の歴史を記している書物に『古事記』『日本書紀』などがありますが、荒唐無稽な【神話】の部分も多くあり、”歴史の正確性”という点からは疑問視されています。



同時期の中国の歴史書の『後漢書東夷伝』『魏史倭人伝』で日本についての記述も存在しますが、量的には微々たるものであり、そこから日本の歴史の流れを読み取るのはほぼ不可能です。



つまり、現時点で『古代日本』の歴史というのは、いくつもの”点”の状態で出来事が散在しているのみということになっています。







それを本作品では【神話】の部分を説得力のある【史実】にうまく落とし込むことにより、”点”と”点”を繋ぎ、【古代日本の歴史】として1本の”線”とすることに成功しています。



具体的には、



【奴国王の金印授受】


【邪馬台国女王卑弥呼の朝貢】


【神武東征】




これらの出来事が一連の地続きの史実として、ある意味忠実に書かれています。







これを読めば、我々日本人のルーツ・DNAに刻み込まれた”本質”を垣間見ることができ、今の時代失われつつある”日本人としての誇り”が呼び覚まされることは間違いありません。










■必読マスト!『第二部 日の御子』




本作品は、



『第一部 朝貢』


『第二部 日の御子』


『第三部 魏使』




の全3部で構成されています。







私が一番おすすめしたいのが、ダンゼン第二部です!



・・・・『第~部』といういうと、なんか【ジョジョ】っぽいと今ふと思いました。







この第二部は、タイトルからわかるとおり、邪馬台国の女王『卑弥呼』の物語です。




「炎女から教えられて以来、
        日御子は使譯の心で生きてきた。


 人の心を天に伝え、天の思いを人に伝える使譯だよ。


 これからも日御子は、使譯でいたい。」






元々『卑弥呼』という文字は、発音の音を聞いた中国人が当て字で漢字に直したものであり、本来の名前の意味とはかけ離れています。



作者はいくつかある名前の説の中から、【太陽神の御子】の意味である『日御子』を採用しています。



この名前は、『古事記』によるところの”太陽神”【天照大神】に通じるところであり、【神話】【史実】が重なるロマン溢れる解釈です。



まさに、『元始、女性は太陽であった』(by 平塚らいてう)なのです。







物語中では、日御子は倭の大国『弥摩大国』の王の娘として生まれ、若くして即位。
その後、倭国内の大乱を武力によらず、対話のみで治めていきます。



作中で表現される彼女の平和を愛する心と神秘的な雰囲気は、日本人の多くが思い描く『卑弥呼』のイメージに近いのではないかと思います。



また、第二部が一番泣けます。



日御子ちゃん萌え~~~なんですよー。







ちなみに『卑弥呼』というとお気に入りの画像がありまして。





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ある雑誌に載ったマンガの一場面らしいのですが。



『卑弥呼』と聞くと、私の脳内ではこの画像が自動再生されます。










■歴史の裏で活躍した【<あずみ>の一族】



この物語の主役は、【<あずみ>の一族】と呼ばれる一族の者達です。



彼らは多い昔中国から倭へ移住してきた【渡来人】の一族であり、【使譯】と呼ばれる漢語を操る通訳の仕事を代々続けていました。



そのため、倭の各国から重宝され、それぞれの国々に分かれ、活躍しています。







その【<あずみ>の一族】が様々な形で、倭国の太平のために尽力します。



権力者達の都合で蔑ろにされがちだった当時の”民”の目線で倭国の政情を描いたまったく新しい歴史小説だと思います。





















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[ 2013/10/10 16:19 ] ライトノベル | TB(0) | CM(2)
自分は古事記の神話は実話だと解釈してます。
[ 2014/04/17 07:20 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
そう考えたほうが、夢が広がりますね。
[ 2014/04/18 07:01 ] [ 編集 ]
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昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

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