ゲッターロボサーガ 全9巻 ―――― チェンジ! ゲッター・ワン!!!
- 2019/09/16
- 22:11
ゲッターロボサーガ 全9巻(双葉文庫名作シリーズ)
原作:永井豪
作画: 石川賢
発売元:双葉社
【レビュー】
「見よ! これがゲッター線の意思!
生命が生まれた意味!!
宇宙が存在する意義!!!」
地底深く潜んでいた恐竜帝国が蘇る。その情報を掴んだ早乙女博士は、秘密裏に人類最後の切り札ゲッターロボを建造。地球の覇権を賭けて人類とハチュウ人類の死闘が始まった。
流竜馬、神隼人、巴武蔵。早乙女博士に見いだされた三人の若者に待つ過酷なる運命とは!?(作品紹介より)
永井豪と石川賢が生み出した初の合体巨大ロボット・ゲッターロボ。
マンガ作品として発表された本作は、後にアニメ化され、マジンガーZをはじめとした70年代の【スーパーロボットブーム】の一翼を担った。
テレビアニメシリーズの終了後もマンガは連載が継続され、石川が亡くなる2006年までに発表された『ゲッターロボ』『ゲッターロボG』『ゲッターロボ號』『真ゲッターロボ』『ゲッターロボ アーク』の5作品が、『ゲッターロボサーガ』として統合された。
その壮大なスケールの設定の数々や、多くの謎を残した伏線により、普通のロボット作品とは一線を画す異例の人気を現在まで誇っている。
本作を読んで最も印象深かったのが、「ゲッターは本当に正義の味方なのか?」という疑問が物語の合間に問われている点だ。
『真ゲッターロボ』では、地球を攻めてくる敵の異星人が、実は未来から過去の地球に来たことが判明する。
敵が過去に来た理由とは、遥か未来の宇宙ではゲッターロボ(究極に進化したゲッターロボ・”ゲッターエンペラー”)に率いられた人類が銀河を次々に侵略しており、それを防ぐためにまだ進化途中のゲッターロボを打倒しに来たことが語られている。
その描写は、明らかにゲッターロボ側が悪であり、敵側が正義と捉えられるものとなっている。
ゲッターとは何なのか?人類の味方なのか?宇宙の敵なのか?
この疑問はシリーズの最後まで明らかになることなく、石川の死によって本筋のストーリーは未完となってしまった。
しかし、明かされなかったが故に、ファン達は永遠に出ることがない答えを求め語りあり、作品を何度も読み直す。
ちょうど、エヴァが放送終了後に人気が社会現象まで爆発したことと同様の傾向だ。
本作が今日のような高い評価を得続けているその秘密は、極限まで広げられた”大風呂敷”と、それが作者の死という悲劇から永遠に畳まれてることがなくなったという完璧な”不完全さ”から来る刹那的な怪しい魅力によるものなのだろう。
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