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幼女戦記 11 Alea iacta est  ―――― 幼女<バケモノ> 短刀と毒薬<暗殺>

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幼女戦記 11 Alea iacta est
著者:カルロ・ゼン
イラスト: 篠月しのぶ
発売元:小学館
発売日:2019/2/20











【レビュー】





「だからこそ、中佐。 
 
    貴官らの部隊には苦労してもらう」




「・・・・いつでも、ずっと、そうであります」







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幼女、暗躍す。

戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これ異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。

義務。
必要。
友情。

何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
(作品紹介より)












■ルーデンドルフ暗殺を極限まで利用するターニャの”狂った合理性”





帝国軍参謀本部の”盟友”として一致協力してきたゼートゥーアとルーデルドルフの両”大将”。


しかし、本国と東部最前線で所在が分かれたことが起因してか、今巻では帝国の今後の方針を巡って激しく対立することとなる。


あくまでも帝国の勝利を念頭に置くルーデルドルフに対し、参謀軍人としての正しさを認識しつつも現実が見えていないと嘆くゼートゥーア。軍部の掌握のため、ターニャにルーデンドルフ暗殺を命ずることとなる。


ここで発揮されたのが、ターニャの悪魔的な合理性だ。いわく「人間は、効率的に殺されるべきであり、無駄にされるべきではありせん」


単にルーデンドルフを暗殺するのではなく、”クーデターの首謀者”として暗殺(実際にルーデンドルフは軍部によるクーデターを計画していた)。そして、クーデター鎮圧を名目にゼートゥーアが首都に帰還し、更に国内での反乱分子を一気に制圧し、【カウンター・クーデター】を実行するというものだ。


戦争という狂気の中でも、冷静に合理性を追求できるターニャが、最も狂っているのではないかと感じられる描写だ。





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■”ルビコン川を渡る”イルドア侵攻





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首都に返り咲いたゼートゥーアが決断したのは、中立国であるイルドアへの侵攻作戦だ。


帝国が生き残る最後の希望と目されていたイルドアによる仲介だったが、イルドアと合衆国との武装中立同盟の締結により、『許容可能なリスク』『不良債権』へと変化してしまったと作中では述べられている。


これは、未来を見据えた”敗戦”処理を実行するゼートゥーアの強い決意の表れだ。


今の状態から”価値ある敗戦”に持っていくための計画には、緻密なタイムスケジュールが必須であり、イルドアの不確定要素の拡大は計画に邪魔なだけになってしまうという考えなのだろう。


気持ちはわかるが、この命令を受けたレルゲンの衝撃を考えると胃が痛くなってくる。















■イラストの力





いつも本作を読んで感心させられるのが、イラストを担当する篠月先生の画の魅力だ。


元々第1巻も、ジャケ買いで買った経緯があり、毎巻、イラストには注目読んでいる。


今巻も作品とマッチした狂気性を感じさせるキャラクターの表情が抜群にいい。





スキャン_20190821 (7)





狂った表情や驚いた表情のキャラクターがいる一方、穏やかな表情のキャラクターを配置したイラストも多く、ギャップにより一層の異常性を感じさせる演出がすごい。


本作の人気の半分はイラストの人気だと言っていいと思っている。


































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