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映像研には手を出すな!  ―――― 創造するのは、”最強の世界”。

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映像研には手を出すな!(ビッグコミックス)
著者:大童 澄瞳
発売元:小学館
発売日:既刊3巻(2018年12月現在)











【レビュー】





    「なんだか知らんが、面白くなってきやがった。」





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アニメ制作×女子高生、青春冒険譚!


アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!

「月刊!スピリッツ」連載時より
SNSで「すげえ漫画が始まった!」と
驚異の拡散! 天才、出現!!

【編集担当からのおすすめ情報】
ドラえもん、宮崎駿、そしてザリガニが好きな方、
設定・世界観・背景フェチの方には
絶対刺さります!ぜひ読んでみてください!!
(作品紹介より)

















■女子高生という皮を被った”怪物”達





本作は、女子高生3人が【映像研】なる部を創設し、アニメ制作に邁進する青春グラフィティである。


と言いつつも、この3人、かなり常軌を逸した人材達だ。


「設定が命」、自分の考えた「最強の世界」で大冒険するのが夢の浅草みどり


とにかくお金の話が好きのプロデューサータイプ、金森さやか


カリスマ読モにして財閥令嬢ながら、アニメーションを愛し、日夜動きの研究に熱中する水崎ツバメ





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彼女達は友達が欲しいから部活に参加しているのではなく、自分の目的の達成のために集った”同志”達なのだ。


お互いを「~氏」と読んだり、自分の世界に没頭し周囲の目をまったく気しないなど、往年の古き良きオタクの伝統を引き継いでいる点も好感が持てる。


作中ではオタク達の心に刺さす”魂の叫び”が多く登場するため、その中でも特に印象に残っているシーンを紹介していきたい。















■”目覚めた日”





第1巻 第6話 『1日48時間労働の危機』より。







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 「世界が滅びそうな雨だな。

  何観ようかな。 『未来少年コナン』 これでいいかな。」








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 「私が今まで表現しきれなかった広い広い冒険の世界がそこにあった。

  『アニメを作る人』 を意識したのはこの時だったと思う。」









このシーンが何を意味しているのか。


この日、浅草は真の”オタク”として覚醒したのだと思う。


まるで、ブッタが悟りに”目覚めた”ように。


子供の頃、誰しもアニメを観ていたはずだ。ドラえもんやサザエさん、ちびまる子ちゃん。しかし、大人になってもベビーにアニメを観続けるオタクとなる人と、普通の現実世界へ帰っていく一般人。その分岐点は、いったいどこで訪れるのか?


オタクとなった人には、浅草と同じように必ずその分岐点となる”目覚めた日”があるはずなのだ。


全てのオタクはこのシーンを読んで既視感と圧倒的なノスタルジーを感じるはずだ。


その瞬間、世界から全ての音が消え、自分自身の世界が根本から作り変えられる。


本能として”自分の生きる道”を理解する”オタク原風景”だ。


そのようなシーンを作中に盛り込んだ作者の慧眼には、心の底から敬服してしまう。















■”罪”





第2巻 第12話 『二人のスイッチ』より。







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 「ロボアニメ業界ってのは半分が敵で、もう半分が将来の敵なのだ!

  手間を惜しめばロボット警察にすぐバレる!!」


 「巨大ロボは 『責任』 だからねー。

  ロボアニメ制作は逃れられないを背負うことだもん。

  何をやっても非の打ちどころがある。

  どちらに転んでも死ぬさだめでしょ。」








ロボットアニメにおいては、1979年に放送された『機動戦士ガンダム』以降、それまでのマジンガーZを頂点とする【スーパーロボット】と対比するため、【リアルロボット】という言葉が発明された。


このときから、オタク達は、ある”原罪”を背負ってしまったのだ。


それは、『【リアルロボット】の”リアル”とは、何を指すのか』という大問題だ。


つまり、結局のところアニメという空想の産物に、リアルだからといってとことん現実的な描写のみ採用すると、まったく面白みがなくなってしまうということだ。


だからといって、現実ではありえないぶっ飛んだ、整合性がまるでない設定としてしまうと、【スーパーロボット】との違いが曖昧になり、うるさいオタク達から袋叩きにあってしまう。


リアルとスーパーのバランスが重要なのだが、そのちょうどいいと思う感覚はそれぞれの主観でしかないので、全員が納得できる”共有されたバランス”はあり得ないのだ。


現代でロボットアニメを作るということは、もはや全オタクを敵に回すといっても過言ではない。近年ロボットアニメの制作本数が減っているというのもメカ作画の担い手がいないという理由もあるが、上記のロボットアニメの難しさが起因しているのではないか邪推してしまう。


しかし、ロボットアニメが絶滅することは絶対にない。男の子は皆、ロボットが大好きなのだから。















■”アニメを創る理由”





第2巻 第14話 『こだわり』より。







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 「ロケットってさ、本体がかっこいいわけじゃないくて、

    軌跡とか煙の動き含めてかっこいいわけじゃん!!」








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 「『ロケットはここがかっこいいんだ!』っていう画圧に感動するわけよ!!

  『わかってんじゃんアンタ!!』ってさ!!」








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 「どこの誰だが知らないけれど、アンタのこだわりは私に通じたぞ!!って。

  私はそれをやるために、アニメーションを描いてんだよ!」








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 「チェーンソーの振動が観たくて、死にかかってる人がいるかもしれない。

  私はチェーンソーの刃が跳ねる様子を観たいし、そのこだわりで生き延びる。

  大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなきゃいけないんだ。








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    「動きの一つ一つに感動する人に、

      ”私はここにいる”って、

          言わなきゃいけないんだ。」








―――――”神は細部に宿る。”


ドイツの美術史家であるアビ・ヴァ―ルブックの言葉であるが、この言葉は最もアニメーションに相応しい。


作品によっては何度も観直すものもあるが、毎回観るたびに新しい発見がある。


「こんなところまで描いていたのか」とか、「こんなところにもこだわってたのか」とか、本当に作り手の情熱が感じられて嬉しい気持ちが湧いてくる。































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昭和生まれの東北人。

アニメ、漫画、ライトノベル、アニソンが大好物。

このブログでは、私が出会った2次元作品についてのひとり語りをココ、”秘密基地<セーフハウス>”からこっそり更新しています。

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